Blog

小売業のアプリ戦略は「接客」と「採寸」のニューノーマル対応がカギ

2021.05.12

コロナ禍の現在、小売業は大きな影響を受け、変革を求められています。店舗への来客数は大幅に減少しています。巣ごもり需要も後押ししてECサイトに向かう傾向は顕著です。

これまでは衣料品などオンラインで実際の着用感やサイズがわかりにくい商品の場合、店舗ならではの店員の「接客」や商品の「お勧め」、「試着」がECサイトに比べた強みでした。コロナ禍で、従来のような接客を続けることが難しくなったいま、店舗の強みが発揮できなくなっています。

小売業の現状の課題や今後ニューノ-マル対応で求められる新たなサービスとは何か、そして今後のデジタルシフトでカギとなるアプリの活用について考えていきましょう。



コロナ禍での小売業の課題

まずは、コロナ禍で直面している小売業の課題からみていきましょう。


コロナ禍で影響を受けた百貨店とアパレル

コロナ禍の影響ですが、スーパーマーケットなど生活必需品の影響は比較的限定的だったものの、百貨店そしてアパレルの影響は大きいものとなりました。

経済産業省の 商業動態統計速報 (2021年2月調査) によると、前年同月比で、スーパーは1兆1391億円(0.8%減)なのに対し、百貨店は3581億円(11.8%減)。特に、百貨店の主力であるアパレルは、紳士服・洋品が23.3%減、その他衣料品が13.4%減、婦人・子供服・洋品が11.8%減でした。

近年、ECサイトの普及などとともに消費構造が完全に変化し、百貨店の売上は年々減少していました。インバウンド需要が頼みの綱だったところに、コロナ禍で完全にとどめが刺された格好です。


ECサイトの成長・拡大

小売業の実店舗が新型コロナウイルスの影響を受けて売り上げを減らすなか、ECサイトは巣ごもり需要の伸びも受け、利用率を伸ばしています。MMD研究所の調査(2020年10月~11月調査)では、総合ECサイト利用者のうち、利用頻度が増えたユーザーは21.3%、コロナ禍で利用を始めたのは4.8%でした。今後アフターコロナでもデジタルシフトの動きとともに、堅調に拡大していくことが見込まれます。

実店舗を持つ小売業は、店舗の売上が大幅に減少しています。この対策として、お客様のオンラインでの購買体験だけでなく、店舗での購買体験を向上させるため、新たなデジタルサービスの提供に力を入れています。


百貨店の強みである接客にも変化が求められる。

百貨店の強みである接客もコロナ禍で変化しています。お客様との距離をあける、声掛けは控える、現金の手渡しをしない、試着や採寸を手伝わないなど、これまでの百貨店の接客としてはあり得ない対応がニューノーマルでの常識となっています。

ニューノーマル対応でいかに他社と差別化するかが問われています。

そごう・西武や三越伊勢丹ホールディングスは、2020年夏から「ZOOM」による接客を開始しました。お客様は自宅から店舗スタッフとオンラインで会話し、商品が気に入ればオンラインで購入します。

お客様と店員の接触機会を減らした上で、お客様のサイズに合った商品を販売するために非接触の採寸技術の導入も新たな傾向です。

そごう・西武では、2020年11月には、そごう横浜店と西武池袋本店の紳士服ワイシャツ売場にて、非接触採寸システムとして「Bodygram(ボディグラム)」のAI採寸技術を導入しました。お客様の正面と側面の2枚の全身写真を撮影するだけで全身の高精度な 身体サイズの推定採寸が可能となります。


小売業界でのアプリ活用

小売業でアプリの導入が進んでいます。コロナ禍以前からこの傾向はみられましたが、 アフターコロナのデジタルシフト戦略の視点で最適なアプリ活用を考えてみましょう。


小売業のアプリ導入のメリット

まずは、小売業がアプリを導入する基本的なメリットを整理してみましょう。

(1) プッシュ通知でリアルタイムに情報提供

アプリには新しい情報が届いたことを通知する「プッシュ通知機能」があります。この機能によって、メルマガやDM(ダイレクトメール)よりも、クーポンやセールといった情報の開封率・購読率が高まりやすくなります。

(2) ポイントカードの囲い込み効果を高める

ポイントカードによる顧客客囲い込みは重要です。アプリは、従来のポイントカードの代わりとして利用可能です。会計のたびに財布からカードを出したり、カードを持ち歩いたりせずに済むためお客様の利便性を高め、ポイントカードの利用を促進できます。さらにアプリ限定のクーポンなどの発行で、顧客囲い込み効果が高められます。

(3) オンラインでの購買の誘導に

さらに、アプリなら店舗情報の紹介だけでなく、通販サイトに誘導することも可能で、オンラインでの購買に繋げることもできます。

顧客管理や購買への誘導が可能なことはアプリ活用のメリットの一つです。アプリの活用で取得できるデータは小売業にとってこれからますます貴重な財産となっていきます。アプリは、オンラインの行動データはもちろん、店舗を訪れる顧客データも取得することも 可能です。


アプリ活用をニューノーマルの戦略に

これまでみてきたようにコロナ禍によって小売業を取り巻く環境は大きく変化し、今後小売業はニューノーマルへの対応が求められます。ECサイトの成長・拡大に対抗して実店舗をもつ小売業が生き残っていくためには、アプリの活用は欠かせません。

アプリ活用でECサイトとの差別化を図るためには、プッシュ通知機能やポイントカードなどのアプリの基本的な活用だけでなく、アプリ上で独自のサービスの強みや機能を打ち出すことが大切です。

例えば、実店舗の強みである接客サービスをアプリと連携するなどの試みが進んでいます。

2021年2月から開始された「三越伊勢丹リモートショッピングアプリ」は、実店舗での接客によるおもてなしと同様に、どこにいてもレベルの高い百貨店のリモート接客(動画・チャット)が受けられるアプリです。店頭にしかない商品も簡単に購入可能となります。

伊勢丹新宿本店では、2021年3月からアプリ上で仮想現実(VR)を使った買い物ができるサービスを開始しました。自身のアバターで店舗内を巡り、気に入った商品をオンラインで購入できるというものです。

さらに、こうした小売のアプリとAI採寸技術を連携させれば、お客様がスマートフォンで自宅にいながら採寸を行なうことが可能です。オンライン上では、サイズ感や着心地がわからず購買につながりにくかった衣料品の購買率を高めることが可能です。

オンラインでの店舗スタッフの接客と組み合わることで、スタッフがサイズや商品のアドバイスができるのでお客様が安心感をもって商品を購入できます。

また、実店舗では、店舗スタッフがお客様と接触することなく採寸が可能となり感染症対策に役立ちます。

実店舗やオンラインなどあらゆるチャネルをシームレスに連携させて顧客接点を繋げ、売上をアップさせる「オムニチャネル」という考え方が進んでいます。アフターコロナの小売業のあるべき戦略のひとつであるオムニチャネルを進めるためにも「接客」と「採寸」 のデジタルシフトがカギとなるともいえるでしょう。


採寸アプリBodygramの導入によるスマート接客

Bodygramとは、AI(人工知能)を利用した採寸技術です。API(アプリケーション・プログラミング・インターフェイス)連携や独自開発によって既存のアプリに採寸サービスを追加することが可能です。既存のアプリと連携した「スマート接客」が可能となり、小売 店とお客様がともに大きなメリットが期待できます。

Bodygramがあれば、スマートフォンを使って採寸できるようになります。サイズ違いによるトラブル防止につながるほか、お客様の体型・好みに応じたアイテムの提供も可能です。また非接触で採寸ができるので、採寸の際の感染リスクを減らせます。AIに採寸を任せ ることで、店舗スタッフの負担を最小化にも繋がるのです。スタッフの稼働人数が少ない場合などにも効果を発揮します。

実店舗では、非接触の採寸で感染リスクを減らせることで、お客様側が安心して来店できます。実店舗ならではの店員からの「お勧め」や「服のお直し」といった、きめ細やかな接客サービスを受けられます。

またオンラインでは、アプリにBodygram技術を導入することで、お客様が来店することなく採寸が行なえます。さらにアプリ上で動画やチャットなど独自の接客サービスを展開することでお客様に新たな購買体験を提供でき、新規顧客の開拓の機会も拡大するでしょう。


まとめ

今後小売業は、ニューノーマルに対応した事業戦略を模索する必要があります。

小売業でのアプリ活用は、実店舗の強みである独自の「接客」サービスを組み合わせるなどの差別化が重要です。さらにアパレルではBodygramの「採寸」技術を導入すれば、ニューノーマルに対応した売上拡大への貢献が期待できます。

アプリの導入で実店舗とオンラインをシームレスにつなげるオムニチャネル戦略を進めるためにもBodygramの導入が効果を発揮します。

記事をシェアする
ニュース一覧に戻る

ボディデータを活用して顧客に合わせたサービス提案を実現しましょう

Bodygram Platformのフリープランで今日からスキャンを開始できます。

サインアップ